空間表現

 この春より作風がまた少し変わってきました。

それはリアリズムへの回帰です。

 

 理由は三つあり、

一つ目はこの描写が好きである事。

 

二つ目は「見えるモノを描いて、見えないモノを感じてもらう。」

と言うことで、見えないモノとは空間や空気感、風や気です。

 私が描いた作品を通してご覧になられた方々が、

その時の時間と空間を共有出来たら最高に幸せな事なのです。

 

三つ目は最近ファンになった故磯江毅の影響です。

磯江さんは5年前に53歳の若さで亡くなられた

大阪出身の画家で、20歳でスペインのマドリードに渡り、

リアリズムを追求された素晴らしい画家です。

 

 それなりに色々な画法を試してみましたが、

しばらくはリアリズムで行きたいと思っています。

 

 *添付作品は新作「The night in a Rose」です。

夜、ふと照らし出された薔薇を表現しました。

 花は散るからこそ良いのであって描く対象ではない、と思ってましたが

認識が変わりました。10年描いてきて始めて描いた花が薔薇です。

空間、空気感を感じて頂ければ幸いです。